ご挨拶・座学

ご挨拶・座学


緊張した面持ちで、子供が親に連れられ道場にきた。
「この道場に通う子供達は、みんな『徳』を持った子です。」と、
私は親御さんに説明します。

そうです。道徳の『徳』です。

「なくてななくせ」と云うことわざがあります。

人は誰だって「クセ」はあるものです。
剣道にもクセは付きもの。竹刀を横から持つくクセ。足が外を向くクセ。
声が力一杯でない子と、いろいろとあります。

子供は自分のクセには気付かない。
大人の何倍もの想像力を持つ子供のクセを直すのは容易ではない。
指導者のあいだで、「この子は当面このクセを直そう」と相談する。
いろいろな手段を使って直していきます。

個性とクセは異なります。

このクセを道場みんなの目で直してもらえる子は、
普通の子供に比べて『徳』のある子といえます。
子供のころにクセを何度も直されて、良くなったと褒められて、
試合や昇級審査でも良い結果が出ると、素直に受け入れた方が得だと思い、
それが自信につながります。

社会に出て、他人から指摘があれば、素直に受け入れて直そうと務めるでしょう。
指摘した人と、された自分も、お互いに信頼や尊敬が生まれます。
剣道人だからやれることです。

『徳』は仏教じみたようですが、人間性が多く、精神要素から成り立っています。
ちょっと『徳』について辞書を開いてみると、気品、意志、温情、理性、忠実、
勇気、名誉、誠実、自信、謙虚、健康、楽天主義…などと、栄養満点です。

剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である」が剣道理念です。
これに向けて指導者自身も自分に言い聞かせて、師弟同行しているのが、
我が剣友会の自慢です。

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